2025年6月15日
照明計画とあかり設計の工夫
ログハウスにおける照明計画は、
単なる明るさの確保にとどまらず、
「木の空間」と「自然のリズム」を
大切にする独特の設計が求められます。
吹き抜けや勾配天井、太い梁など、
ログハウスならではの構造を活かしながら、
快適で居心地の良い“あかり”の設計を考えていきましょう。
ログハウスの照明計画で大切なこと
ログハウスでは以下のような特徴があります:
吹き抜けが多く、天井が高い
壁や天井が木材のため光の反射率が低い
梁や丸太が視線を遮ることもある
電気配線を壁に露出させたくない
このような特徴から、「明るさ」よりも
「雰囲気」や「陰影」を活かす照明設計が重要になります。
1. 居間・吹き抜けのあかり:上下のバランスがポイント
吹き抜けのあるリビングでは、天井照明(シーリングライト)だけでは
不十分なことが多いです。
光が高すぎて手元まで届かないため、
「天井からの照明」+「壁や床に近い照明」の組み合わせが基本です。
吹き抜けの梁にスポットライトやダウンライトを設置
ソファ横にはスタンドライトでやわらかい光をプラス
夜間は間接照明でリラックスできる空間に
2. 寝室や個室:木のぬくもりを引き立てる照明
ログの壁は光を吸収しやすいため、直接照明ではなく、
木肌を照らす間接照明を取り入れることで、
空間が一気に落ち着いた雰囲気になります。
ベッドのヘッドボード裏にLED間接照明
天井は照らさず、壁面に光を広げる工夫
調光機能付きの照明でシーンに応じて明るさ調整
3. 配線の工夫:ログハウスならではの計画性
ログハウスは壁の中に配線を通せないため、
建築前の段階での「照明計画」が非常に重要です。
丸太にスリーブ(穴)を開けて配線ルートを確保
コンセントやスイッチはログ材に掘り込みを入れてカバーで美しく隠す
完成後の変更は困難なため、使用シーンを具体的に想定することが大切
木の空間に似合う照明デザイン
ログハウスでは、木の素材感を活かした照明器具を選ぶことで、
空間との一体感が生まれます。
アイアンや真鍮を使ったペンダントライト
手作り風の木製ランプシェード
薪ストーブの明かりと調和する暖色系の光
あかりは暮らしの質を左右する
ログハウスの照明計画は、住まいの雰囲気を大きく左右します。
明るさだけではなく、「どこで、誰と、どのように過ごすか」を
イメージしながら、あかりの設計を行うことがポイントです。
木に囲まれた暮らしだからこそ、
やさしい灯りが何よりも心を癒す存在になるのです。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
ぜひご覧ください。