2025年5月18日
壁の中の見えない敵──結露を防ぐ断熱の工夫
ログハウスの仕上げ工事編がスタートし、
本日は「壁断熱」について深掘りします。
木の温もりに包まれるログハウス。
実はその快適性の裏には、
“見えない敵”との戦いがあります・・・それが「結露」です。
木材の断熱性のすごさ
ログハウスの快適さを語る上で外せないのが、木材そのものが持つ高い断熱性と蓄熱性です。
木材の熱伝導率はコンクリートの約1/10、鉄の1/500
木の断熱性能はコンクリートの10倍以上、鉄の約300倍
木は細胞の中に多くの空気を含む構造で、熱を通しにくく、室温を保ちやすい
熱をため込む性質(蓄熱性)もあるため、夏は涼しく冬は暖かい
つまり、木でつくられたログハウスは、
エアコンや暖房の使用を抑えても快適な空間を保ち、省エネにも大きく貢献します。
結露の原因と対策
木の断熱性能が高いとはいえ、壁の中で温度差が生じれば結露は発生します。
特に室内外の温度差が大きくなる冬季は注意が必要です。
結露対策の基本
断熱材の正しい施工(すき間のない断熱)
防湿シートの活用(室内側に施工)
通気層の確保(湿気の逃げ道)
木材の吸放湿性を活かした素材選び
ログハウスでは、壁の中に断熱材を充填し、内側に防湿シートを貼ることで、
外気と室内の温度差を適切にコントロールします。
これにより、壁内結露を防ぎ、カビや構造劣化から家を守ることができます。
木だからできる“見えない安心”
木の特性は、断熱だけにとどまりません。
通気性と調湿性:余分な湿気を吸い、乾燥時には放出する
蓄熱性:エアコンやストーブを切ったあとでも快適さが持続
こうした特徴により、ログハウスは結露しにくく、
常に快適な湿度と温度を保てる空間となります。
まとめ:快適さは壁の中で決まる
ログハウスの断熱性は、その美しさだけでなく、
見えない部分の工夫に支えられています。
特に壁内の断熱と湿気対策は、
住まいの寿命と健康に直結する大切なポイント。
木の持つ優れた断熱性・蓄熱性に加え、現代の技術と知識を活かすことで、
ログハウスは一年を通して快適に暮らせる“木の住まい”となります。
次回vol.44では「屋根断熱と天井構造」についてお届けします。
屋根に潜む断熱の盲点を一緒に探っていきましょう!
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
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