2025年5月10日
ログハウス講座vol.40 仕上げ工事編スタート!
いよいよログハウス講座も新章に突入です。
ログワーク編を終え、今週からは【仕上げ工事編】がスタート。
まずは建物の土台となる重要な工程-
「基礎工事」について学んでいきましょう。
【ログハウスの基礎】ベタ基礎・布基礎・独立基礎とは?
ログハウスに限らず、住宅建築において「基礎」は建物の荷重を支え、
地面に安定して伝えるための構造です。
構造躯体の安定性や耐久性、
耐震性を左右する非常に重要なパートとなります。
今回はログハウスに採用される代表的な基礎3種類について、
長所・短所とともに解説します。
▶ベタ基礎
現在、最も一般的な基礎形式であり、
多くのログハウス施工例でも採用されています。
【特徴】全面に鉄筋コンクリートを打設して面で荷重を支える
【長所】
耐震性・耐久性が高い
シロアリの侵入を防ぎやすい
床下湿気対策にも優れる
【短所】
工期が長くコストが高め
土地の排水や地盤改良が必要な場合もある
ログハウスは重量が大きいため、ベタ基礎との相性が非常に良いとされます。
▶布基礎
ベタ基礎が主流となる以前に一般的だったのが、この布基礎です。
【特徴】建物の外周や間仕切り部分のみを連続した基礎で囲う形式
【長所】
コンクリート量が少なく、コストが比較的安い
地盤改良の負担が小さめ
【短所】
局所的な支持となるため、地盤に弱いと不安定
湿気やシロアリ対策は必要
小規模なログハウスや山間部などで布基礎を採用することもありますが、
地盤の強度調査が必須です。
▶独立基礎
ポスト&ビームや小型キャビンなど、
特殊なログ建築に用いられることがあります。
【特徴】ポイントごとにコンクリート基礎を設ける方式
【長所】
材料費が安く、DIYでも施工可能
地形の影響を受けにくく傾斜地に適する
【短所】
建築基準法上、住宅には使用できない自治体が多い
構造上の安定性に劣るため補強が必要
景観施設や非住宅のログシェルターでは選択肢になるものの、
居住用ログハウスには不向きです。
【まとめ】基礎選びはログハウスの第一歩
ログハウスは自然の中に建てるケースが多く、
地形・地盤条件との相性を見極めた基礎選びがとても重要です。
施工地域の建築基準や地盤調査結果を踏まえて、
最適な基礎工法を選びましょう。
次回は「基礎断熱と防湿対策」について解説予定です。どうぞお楽しみに!
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
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