2025年6月7日
ドアまわりの断熱と気密対策
ログハウスの快適性を保つためには、
窓や屋根と並んで「ドアまわり」の断熱と気密も非常に重要です。
特に木材は呼吸し、季節によって伸縮するため、
ドア枠との間にすき間ができやすい構造。
そのため、ログハウス特有の収縮やセトリングを見越した工夫が求められます。
ドアまわりに潜む課題とは?
ログハウスでは、以下のようなドアまわりの課題があります:
木材の乾燥収縮によるすき間の発生
セトリング(沈下)によるドアの引っかかりや開閉不良
ドア下からの冷気・虫の侵入
気密性の不足による冷暖房効率の低下
対策1:沈下対策付きドアフレーム
沈下や木材の動きに柔軟に対応するため、
ログハウス専用の「スライディング式ドア枠」や「可動ドアフレーム」を採用することで、
建物の沈下に合わせてドアがスムーズに動くよう設計されています。
これにより、季節を問わずドアの建て付けが安定し、気密性も維持しやすくなります。
対策2:気密・断熱パーツの活用
▶ ドア下部のスウィープ(隙間風防止材)
ゴムやブラシ素材の「ドアスウィープ」を下部に設置することで、
冷気や埃、虫の侵入を防止し、断熱効果も高まります。
▶ 気密パッキンの設置
ドアと枠の間に気密パッキンを貼ることで、隙間風をシャットアウト。
最近ではウレタンやシリコン素材の高性能パッキンも多く出回っています。
デザイン性と機能性のバランス
ログハウスに似合う無垢の木製ドアは魅力的ですが、
そのままでは断熱性や気密性が不足することも。
高性能な断熱ドアと、木製パネルで装飾されたタイプを組み合わせることで、
機能性とデザイン性の両立も可能です。
ドアの工夫が住まいの快適性を左右する
ドアまわりの断熱と気密対策は、冬の冷気対策だけでなく、
夏の冷房効率や防音性にもつながる重要なポイントです。
ログハウスに暮らす上で、快適な環境を維持するには、
季節ごとの変化に対応できる柔軟な設計とメンテナンスがカギとなります。
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
ぜひご覧ください。