2025年5月4日
ログハウスと森の関係-持続可能な住まいの未来
プロローグ-森と共に生きるという選択
ログハウスに惹かれる理由は人それぞれでしょう。
「自然の中に暮らしたい」
「木の温もりに包まれたい」
「シンプルで豊かな生活を送りたい」。
けれど、その背景にある最大の魅力はやはり、「森と共にある住まい」であること。
人は太古から森と共に暮らしてきました。燃料、道具、住まい-
すべてを森から得てきた歴史があります。
ログハウスはまさに、森からの贈り物をもっとも素直な形で活かした住まいなのです。
森を守りながら木を使うという考え方
一方で「木を使う=森を減らす」と誤解されることも少なくありません。
しかし、現代の林業や森林管理は「伐って使うことで森を守る」
持続可能なサイクルを前提としています。
間伐や更新伐を適切に行い、適度に木材を利用することで、
森の健康を維持し
二酸化炭素を吸収しやすい若い森を育て
地域の生態系を守る
ことが可能になります。
ログハウスを建てることは、持続可能な森林利用の一翼を担う行為でもあるのです。
ログハウスが教えてくれる「適量消費」の精神
ログハウスは建材を無駄にしません。
丸太一本一本がそのまま家の壁となり、室内外の仕上げ材も兼ねることで、
他の住宅よりはるかに少ない材料で済むのが特徴です。
自然素材そのものを活かす
余計な装飾や機械加工をしない
経年変化を楽しむ
こうした思想は、現代の大量消費社会とは逆行するものの、
これからの時代にこそ必要な住まい方を体現しています。
森林と共に未来へ──ログハウスの新たな使命
日本でも森林資源の有効活用は国家的な課題となっています。
戦後に植えられたスギ・ヒノキが伐期を迎え、
適切に利用することで森を更新する必要があります。
この国産材を積極的に活用したログハウス建築は、
森の循環を促す
地域林業を支える
木の文化を次世代に継承する
という、単なる住まいづくりを超えた社会的意義を持つのです。
森と人が共生し続けるために、
ログハウスには未来を繋ぐ住まいとしての役割があるといえるでしょう。
次回予告──ログハウスデザインの美学(番外編その6)
次回は、実用一辺倒ではないログハウスのもう一つの魅力、
「デザインの美しさ」について深掘りしていきます。
木の力強さと優しさが織り成す芸術としてのログハウス。
どうぞお楽しみに!
※令和6年度埼玉県林業技術者育成研修40日間をダイジェストでまとめました。
ぜひご覧ください。