

2025年11月4日
林業の魅力シリーズ第348弾
香りで魅せる“クロモジ”──
雑木林に光る小さな名脇役
深まる秋の雑木林。ひっそりとした林床に、
独特の香りを放つ一本の木がある――
それが「クロモジ」。
見た目は地味でも、
その香りと用途はまさに“森の宝石”。
本日は、このクロモジの魅力に光を当ててみましょう。
クロモジとは?
クロモジ(Lindera umbellata)は、
日本全国の雑木林や里山に自生するクスノキ科の落葉低木。
名前の由来は、黒い斑点が入った木肌=
「黒斑(くろふ)」+「文字(もじ)」から。
春には黄緑色の小さな花を咲かせ、
秋には香り高い枝葉が目を引きます。
和の香り、その本領発揮
クロモジの一番の魅力は「香り」。
枝を折ると、爽やかでスパイシーな芳香がふわっと広がり、
まさに“日本の香り”を感じさせてくれます。
高級和菓子に添える爪楊枝、入浴剤、アロマオイル、
さらには抗菌・抗炎症効果も期待される精油へと活用されています。
林業とのつながり
クロモジは、商業林業とは違った“雑木林の価値”を
再認識させてくれる存在。
「売れる材」ではないかもしれませんが、
雑木林を手入れし、クロモジを丁寧に育てることは、
地域の林業や里山文化を支える小さな挑戦です。
また、間伐や枝打ちの知識を応用して、
香りを逃さず収穫する技術も、職人の感性と重なります。
彩ちゃんのひとこと
「この枝、なんだか落ち着く香り…
まるで森が話しかけてくるみたい」
クロモジの香りを手にした彩ちゃん。
“目に見えない森の恵み”を感じながら、
今日も森を歩きます。
山桜の華やかさ、クヌギの力強さに隠れて、
静かに佇むクロモジ。
けれど、その香りには人を癒し、
森を語る力があります。
「林業=木を切る」だけではない、
こうした“香りの林業”にも目を向けることは、
未来の森づくりに通じているのかもしれません。
note更新情報(2025/10/29更新)
彩ちゃんの安全物語 第9話「声より先に、合図で伝える」
“声”だけに頼らない──
安全な作業のための「合図」の重要性を、
彩ちゃんが実体験をもとに語ります。
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